中京海運株式会社

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コラム
2026.09.04

車の“神経”をつくる現場で感じた、住友電装㈱のものづくりの魅力

東海地区では戦前から繊維・機械・航空機産業が発展しており、加工技術や量産のノウハウが蓄積されていました。
こうした産業基盤が自動車づくりに転用され、名古屋港が輸送インフラとして機能したことで、この地域は自然と自動車産業が育つ土台を備えていきました。

東海地区の戦前産業(技術基盤)
・繊維産業:豊田式織機 → 自動化技術の原点
・機械産業:加工・溶接・量産の技術基盤
・航空機産業:精密加工・軽量化・大量生産

↓ 技術が転用される

自動車産業の誕生(戦後の発展)
トヨタを中心に車体・エンジン・電装が発展

↓ 製品を外へ運ぶ

名古屋港の役割(物流インフラ)
工業製品・自動車の輸出拠点として成長

住友電装はその流れの中で電装技術を発展させ、国内でワイヤーハーネスを製造するだけでなく、海外へ技術を展開し、世界各地の工場でハーネスを生産しています。
海外で作られたハーネスは名古屋港などを通じて日本へ輸入され、国内生産品と組み合わされて自動車メーカーへ供給されます。

住友電装は、住友電工グループとして世界の自動車用ワイヤーハーネス市場で約21%のトップシェアを持つメーカーです。

今回、住友電装 四日市製作所(自動車用ワイヤーハーネス製造工場)を見学し、細かな作業が積み重なって車の“神経”がつくられていく様子を、目の前で体感しました。

工場を見学する前に、まず住友電装の貿易管理室の方から、会社概要と輸出入管理の役割について説明を受けました。
貿易管理室は、海外との取引に必要な法令遵守や安全保障管理を担う部署で、グローバル事業を支える重要な機能を果たしています。
事業内容や海外との取引の流れを知ることで、この後に見る製造現場への理解がぐっと深まりました。

住友電装は、世界各地に工場や拠点を展開するグローバル企業です。
現在は33の国と地域で25万人以上がワイヤーハーネスづくりに携わっています。
どの国の工場でも、車種ごとの細かな仕様に合わせて製造が行われ、各拠点で同じ品質を実現できるように統一された技術と仕組みが整えられています。
世界中で同じレベルのものづくりができることが、住友電装がトップクラスメーカーとして信頼されている大きな強みだと説明を受けました。
工場のモニターには、海外工場でも同じ作業が行われている様子が映し出されており、グローバルで統一された生産体制を実感しました。

自動車の電子部品を正しく動かすためには、電気や信号を車内の隅々まで届ける必要があります。
その役割を果たしているのが、無数の電線に端子やコネクタを組み合わせたワイヤーハーネスです。
人の体でいえば血管や神経のような存在で、車のあらゆる機能を支えるとても重要な部品です。
今回の説明では、車の“神経”ともいえるワイヤーハーネスがどう作られ、どんな役割を持つのかを学びました。

工場では、まっすぐの電線と2本をねじり合わせたツイスト線があり、その違いが気になりました。
まっすぐの電線は通常の電気を運び、ツイスト線はエンジンやモーターが出す余計な電気のノイズを打ち消して信号を安定させる役割があります。
ノイズを減らすことで誤作動を防ぎ、車の安全性を高めていると教えていただきました。

ワイヤーハーネスづくりでは、機械と人との作業が明確に分担されています。
電線を車種ごとに決められた長さに切り、端子を取り付けるところまではロボットが正確に自働化しており、その工程を見学しました。
しかし、電線の本数が多く、車種ごとに形状も細かく異なるため、ロボットだけでは対応できません。
最終的な組み付けや配線の向きの確認、通電チェックなどは、人の目と手で行う必要があります。
さらに、テープ巻きや束ね方といった仕上げは品質を左右する重要な工程で、熟練者の技術が求められます。

その代表的な手作業のひとつが ハーフラップ巻きです。
見学では、年に一度開催される「ワイヤーハーネス技能オリンピック」の種目であるハーフラップ巻きに挑戦しました。
50cmの電線束に黒いテープを、端が半分ずつ重なるように丁寧に巻き付けていく作業です。
世界記録はわずか約12秒という驚きの速さ。(当社の参加者は、いずれも1分以上かかっておりました。。。)
ただ速いだけではなく、テープにシワがないか、同じ幅でまっすぐ巻けているか、電線が見えていないかなど、“どれだけきれいに仕上がっているか”が評価されるため、熟練者の技術の高さを肌で感じられる体験でした。

これまで海外工場で製造され、容器に梱包された状態のワイヤーハーネスしか見たことがなかったため、今回熟練者の手作業を間近で見て、人の技術が品質を支えていることを強く実感しました。
さらに今回の見学を通じて、車づくりの現場では細かな工程一つひとつが品質を左右し、その積み重ねが安全につながっていることを深く感じました。

現場で感じたその「丁寧さ」と「確実さ」は、私たちが名古屋港で担う仕事にも共通する大切な姿勢だと改めて気づかされました。

名古屋港は、海外から部品を受け入れる“入口”であり、国内で組み立てられた完成車を世界へ送り出す“出口”でもある、日本の自動車産業を支える重要な拠点です。
その名古屋港を拠点に通関・物流業務を担う当社は、部品の輸入から完成車の輸出まで、車づくりの流れをつなぐ役割を果たしています。

自動車は人の命に関わる製品であるため、車づくりの一つひとつの工程にミスは許されません。
だからこそ、名古屋港で当社が担う通関・物流の業務も、安全で確実な車づくりを支えているという思いを胸に、強い責任感を持って取り組みます。

住友電装のワイヤーハーネスは車全体に張り巡られていますが、ボンネット内や足元まわり、ドアの内側、トランク付近には、実際に目で見えるハーネスもあります。
車を見る機会があれば、こうした車の機能を支える配線にも、ふと目を向けてみてください。

今日もどうぞご安全に。

※2026年9月時点の情報です。
※コラムの内容および写真については、住友電装様の承諾を得て掲載しております。

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